松島屋ないまぜ帖
2021.10.18
十三夜
「廻れば大門の見かえり柳
いと長けれど・・・・・」で始まる
樋口一葉の『たけくらべ』。
樋口一葉は、
台東区立一葉記念館となっているあたりで
駄菓子や荒物を売る小さな店を
経営していました↓
生まれた時は
裕福な家のお嬢様だったのに
父親が亡くなったのを機に
一家の主として
家族の面倒を見るためです。
筆は立つものの
商売は上手ではなかったため
一年足らずで引き払ったようですが
ご近所の人達をつぶさに観察し
後に『たけくらべ』に活かされたことを思えば
決して無駄ではなかったと言えます。
この世は全て必然。
きっと何か意味がある。
上野の森で身の上を語る
主人公たちを描いたこの絵は
『十三夜』の一場面↓
瀧澤徳雄画
貧乏も苦難も淡い恋も、
24年の歳月を一気に駆け抜けた
女流作家、樋口一葉
晩年の傑作です。
今夜は令和三年の十三夜。