松島屋ないまぜ帖
2022年05月
2022.05.21
日本人が撮った最初の映画
日本映画で
現存する一番古いものは、
1899年
歌舞伎座のすぐそばに
仮設舞台を作って
太陽光の下で撮影された
『紅葉狩』。
そう、歌舞伎なのです。
このモノクロフィルムは
日活から国へ寄贈されたので
“日活版”と呼ばれ
2009年、日本で初めて
映画フィルムが
重要文化財となりました。
その後、新たに見つかったのが
可燃性35mm赤染色フィルム。
持ち主の名前から
“本地版”と呼ばれています。
その二つをデジタル編集した
『紅葉狩』最長バージョンの
上映会が
昨日、
東京・京橋にある
国立映画アーカイブ
長瀬記念ホールOZUで
行われました。
↑国立映画アーカイブより
デジタル復元された1899年『紅葉狩』赤染色版
九代目市川團十郎
五代目尾上菊五郎による
『紅葉狩』は
古典歌舞伎ならではの大らかさで
惚れ惚れ〜♪
今まさに團菊祭が
歌舞伎座で行われていますが
そもそもお二人の功績を讃える為に
始まったものです。
上映会では、他にも
新発見の貴重映像
初代中村鴈治郎の舞台を
間近で撮影したものや、
後援会の旅行
盛大な葬儀の様子など
公私を問わず
見応えたっぷり!
早稲田大学・児玉竜一教授の
活弁士なみの解説も素晴らしく、
フィルム映画の良さを
体感させて頂きました。
2022.05.20
荻窪さんぽ
杉並区荻窪を散歩してまいりました。
腹が減っては軍(いくさ)はできぬ。
駅近くの春木屋サンで
中華そばを頂いた後
駅の南側へ。
目的地は太田黒公園です。
住宅地をずんずん歩いていくと
立派な門構えがありました。
樹齢百年の銀杏並木が出迎えてくれます↓
ここは、音楽評論家の
太田黒元雄サンが
昭和8年からお住まいになっていた処で
広さはなんと2700㎡。
お父様が日本の水力発電に携わったり
東芝の経営を立て直したりと
生涯、潤沢な資金に恵まれたそうです。
池には鯉が泳いでいて
今の季節は青もみじに包まれます。
ということは
秋の紅葉も見事なはず。
休園日は年末年始のみで
入場無料の穴場スポットです。
⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎
そして駅の北側にある
蜂蜜屋サンへ。
実は我が家に
白いお砂糖はありません。
料理や飲み物に甘味が欲しい時は
もっぱら蜂蜜です。
なのでしょっちゅう
あちこちへ仕入れに行きます笑。
日本の養蜂家を応援したいので
今回は、沖縄の
やんばるの森で採れた蜜を
求めてみました。
5月20日は
「世界ミツバチの日」です。
2022.05.19
人生初の新聞連載、無事終了
人生初の新聞連載コラム
『役者の妻の流儀』
無事終了しました。
読売夕刊(水)の2面で
4月13日〜5月11日連載でしたが
あちこちから反響や感想を
頂戴しました。
拙文をお読みくださった皆さま
本当に本当に
ありがとうございました。
読売新聞の担当者様には
お手数おかけしました。
この場を借りて
御礼申し上げます。
そして昨日から
『○○の流儀』コーナーは
竹中正真氏の
『銅像の流儀』になりました。
あ〜!これ、知ってる!
「カラフルな銅像、可愛い♪」と
たまたま撮った写真がコチラ↓
横浜市の港の見える丘公園にある
ガーデンベアです。
クマちゃんのアフロヘアーに
ご注目ください。
どんよりした空とは打って変わって
美しい色、発色の良さ。
周りの草花に負けていません。
この技術、凄くないですか?
竹中氏のコラムによりますと
富山県の伝統工芸
高岡銅器の技術が元になっているそうです。
その辺りの詳しい話や
オモシロ話は
きっとこれから紹介されるかと。
読売新聞の水曜夕刊
ますます楽しみです。
2022.05.18
桜、まだ間に合いマス
先週、新橋演舞場の
『滝沢歌舞伎』幕開きチョンパでの桜が
ハンパない話をさせて頂きました。
一昨日、歌舞伎座へ伺いましたところ
こちらも負けていませんでした。
今月27日迄上演の
『金閣寺』
ヒロインのお姫様が
悪者に捕まって
木に括り付けられます。
そこで重要アイテムになっているのが
桜です。
舞台一面
雪のように降ってくる桜を
お姫様(なんと、雪舟の孫!)は
着物の裾で集め、
涙を墨の代わりにして
足先で鼠の絵を描きます。
その鼠が本物になって
縄を噛み切ってくれ
お姫様は助かるという
ファンタジー。
ちなみに歌舞伎座の桜は
演舞場のよりサイズが小さく
紙に張りがあります↓
桜が降りしきる様子が
キラキラと眩しくて
儚くて。
桜って、どうしてこんなに
心を揺さぶるのでしょう。
いいなぁ〜、と
しみじみ。
もうひとつ紹介したいのが
乃木坂の国立新美術館で開催中
『ダミアン・ハースト 桜』展。
サメのホルマリン漬で有名になった
ダミアン・ハースト氏が
コロナ禍で心機一転!
点描画をもっと大きくしたタッチで
実物大の桜に取り組んでいます。
まるで桜の森の満開の下♪
「もう1回、見に行きたい」と
亀蔵絶賛です。
こちらは今月23日まで。
5月の東京で見られる桜。
まだ間に合いマス♪
2022.05.17
ビルボード年間1位はこれ!
1981年5月16日から
ビルボードのトップに君臨。
1週間だけ1位の座を明け渡したものの
すぐに奪還。
トータル9週連続で首位を守ったのが
キム・カーンズ
『ベティ・デイビスの瞳』。
亀蔵レコードコレクションより↓
ベティ・デイビスは
ハリウッド黄金時代の
アメリカの大女優。
そのベティのブラウンアイズと
ジーン・ハーローの金髪と
グレタ・ガルボのナイスバディーとを
併せ持つ女性が、
ウブな男子を手球に取る。
キム・カーンズの枯れた声が
ドラマティックな展開を
想像させる。
グラミー賞
ソング・オブ・ジ・イヤーに輝いた楽曲。
2022.05.16
本日「紀尾井町」配信
今日は『パンドラの鐘』の稽古を
早めに切り上げさせてもらう。
夜8時から生配信
『紀尾井町家話』に出演するため。
スペシャルゲストに
時代劇研究家の
ペリー荻野氏を迎える。
ペリー氏ご執筆の
シネマ歌舞伎『やじきた』
プログラムには驚いた。
着眼点が違う。
「そこに注目したんだぁ〜」
と、初め驚き
読んで納得。
「そこ」とは「眉」。
弥次さん喜多さんの
眉の描き方の違いを
時代劇研究家として
考察なさったのだ。
今夜はきっと
思いもよらない発言が飛び出すはず。
超〜レアなフォーショットの
スクショタイムがあるらしい。
これって自慢できるかも笑。
もし生で見られなくても
アーカイヴ配信有り。
どんな流れで
どんな話になっていくのか
一緒にくつろぎながら
ご覧くださった方だけの
お楽しみ。
2022.05.15
琉球展
沖縄復帰50年記念
特別展「琉球」
東京国立博物館で開催中。
かつて琉球王国として
独自の歴史と文化を育んだ沖縄。
その工芸品の素晴らしさに
圧倒された。
国王の冠や
正装の時の衣裳は国宝。
中国の冊封を受ける時などに
王様がお召しになったとのこと↓
漆工がこれまた見事!
「気に入ったのがあれば
持って帰っていいよ」
と、もし言われたら
迷わず
『黒漆葵紋菊螺鈿箱』
を選びたい。
螺鈿の美しさや繊細さが
素晴らしい。
この技術は今どうなっているのか
でーじ気になる。
今日は沖縄の本土復帰
50年目。
2022.05.14
滝沢歌舞伎
SnowManさん主演
『滝沢歌舞伎 ZERO 2022』
「『滝沢歌舞伎』の舞の字
タッキーになってるの知ってた?
行きたいなァ」と
あちこちで話していたところ
「一緒にどお?切符あるよ〜」
友人が声をかけてくれました。
ラッキー!
さてここで、プチ蘊蓄です。
日本モノのショーの幕開きの演出に
“チョンパ”というのがあります。
例えば「都をどり」だと
「み〜や〜こ〜お〜ど〜り〜は〜
よ〜いやさァ〜」
宝塚歌劇の場合は
「は〜る〜の〜お〜ど〜り〜は〜
よ〜いやさァ〜」
の掛け声の後、
“チョン”という柝の音を合図に
“パ”と暗転から照明が点きます。
滝沢歌舞伎のチョンパは、
(ここからネタバレありです。
お気をつけください)
「よ〜いやさァ〜」の後
いきなり、ドサ〜っと
舞台の上の方から桜!桜!桜!
大量の紙吹雪で
舞台一面、桜色。
別世界へ誘われます。
歌舞伎化粧を
舞台上で実際に見せたり
見得を切ったり
本水での立廻りや
SnowMan9人での毛振りも。
歌舞伎役者にはできない
身体の使い方や音の取り方。
ダンスが上手なタレントさんならではの
独特のグルーブ感は
滝沢歌舞伎ならでは。
オープニングの桜だけじゃなく
金の紙吹雪も大量放出。
バッグの中に
思い出をお持ち帰り♪
2022.05.13
フーコーの振り子
亀蔵が上野の国立科学博物館の
「特別展」の話題で来るなら
私は「常設展」から。
日本館に
「フーコーの振り子」がある事を
ご存知ですか?
物理学者フーコーが
考え出した装置なので
フーコーの振り子と
呼ばれています↓
長さ19,5mのステンレス弦に
重さ49,6kgのステンレス錘、
目盛り盤は直径150cmで
振り子はず〜っと動いています。
赤外線センサーで
振動面の位置が表示され
ランプが点る仕組みです。
ランプの位置が
少しずつ移動していくので
地球の自転が一目瞭然。
実は私
日々の暮らしの中で
「え?有り得ないんだけど・・・」
という理不尽なコトが生じた時
決まってここへ来ます。
振り子が揺れるのをジッと見て
地球が動いているのを感じるのです。
地球が誕生して46億年。
一日も休まず
回っている地球。
78億人の人生を乗せて
回っている地球。
(地球規模で考えたら
たいした事じゃない)
振り子も、地球も、
毎日
黙って
動き続けているのですから。
2022.05.12
宝石展
上野の国立科学博物館で開催中の
「宝石〜地球がうみだすキセキ〜」展へ。
入るなり度肝を抜かれた。
大人よりも大きな
巨大アメシストの原石が
ペアで鎮座!
嫁と一緒じゃなくてヨカッタ。
「あたしの誕生石〜♪」
とか言い出しかねない。
ハイハイ、わかってますよ。
宝石、買ってあげた事、
一度もないですよ。
なんだか肩身の狭い思いで
気分はブルートパーズ、
・・・すみませんねぇ。
そもそも宝石の良し悪しは
全くわからない。
が、大きさと値段は
ほぼほぼ比例している
というのは
理解しているつもり。
巨大宝石コーナーでは
生まれて初めて見る大きさに
ほえ〜と感心するばかり。
ct数が万単位って!(驚)↓
イヤホンガイドによると
石の種類によって
大きさに限度があるらしい。
世界最大のトパーズは
約30,000ctで、
同じくペリドットは
約300ctだそうだ。
会場には
ローマ皇帝など
歴史上の人物に縁のある宝石が
キラキラ眩いばかり。
もし仮に
「お一つお持ち帰りください」
と言われたら
日本が誇るジュエリーブランド
ギメルのこの作品↓
画像をアップにしてご覧頂きたい。
亀の甲羅が
車輪のような模様。
このトラピチェ・エメラルドは
世界でも相当珍しく
何故こんな模様なのか
解明できていない、と
国立科学博物館の地学研究部
門馬綱一先生のコメント。
つくづく思う。
人知を越える
地球は素晴らしいアーティスト!
で、嫁へのお土産は
このミニブックに決定↓