松島屋ないまぜ帖
2021.10.01
ゴルゴ13
「ゴルゴ13」をこよなく愛した歌舞伎役者がいた。
二代目尾上松緑
紀尾井町のおじさんだ。
巡業の時の列車移動を思い出す。
その昔、先輩役者から口伝があった。
「紀尾井町と一緒に列車に乗る時は
必ず“ゴルゴ”を持っていけ!」
ボックス席で膝を突き合わせての長時間移動。
会話やネタが尽きて
困ったなぁ〜と思う事がある。
そんな時、さりげな〜くコミック
「ゴルゴ13」を鞄から取り出し
決してわざとらしく無いように
目につく場所に置く。
するとゴルゴが大好きな紀尾井町のおじさんは
めざとく見つけてくれて
「おっ♪」となって
その後、数分間は漫画がつないでくれる
という訳(苦笑)。
きっと紀尾井町のおじさんは
全てわかっていたと思う。
わかってた上で
黙って漫画を読んでくれてた気がする。
それが懐かしくて
6〜7年前にライターをコンプリートした↓
今頃、おじさんは
さいとう・たかをサンと
いろんな話をしているだろう。