松島屋ないまぜ帖
2022.01.28
出世の石段
講談『寛永三馬術 出世の春駒』で有名な
東京・愛宕神社の男坂は
急な石段が86段。
『出世の石段』と呼ばれています↓
時は寛永11年正月28日(旧暦です)、
徳川三代将軍家光公が
芝・増上寺ご参詣の帰り道、
この愛宕山に咲いている
美しい紅梅白梅を取ってくるよう
家来に命じました。
但し、馬に乗って、という条件付き。
誰もが臆する中、
曲垣平九郎が
見事、成し遂げ
大出世したそうです。
一見、何てことない普通の階段に見えますが
いやはや、その急勾配!
思わず手を着きそうになるくらい。
この愛宕山は23区内では一番高い山なのです。
途中で数回休憩し
一気に登る事はできませんでした。
上から見下ろすとこんな感じです↓
これを馬で?
一歩間違えば大怪我か
はたまた命取り。
大した度胸!
曲垣平九郎、天晴です。
出世といえば、『天日坊』!
源頼朝公のご落胤になりすまし、
出世の階段を
見事駆け上がって・・・
行きますかどうかは
ご覧になってからのお楽しみ!
さてこの愛宕神社、
創建は1603年で、
江戸幕府開府の年。
偶然にも、出雲の阿国が
京都でかぶき踊りを始めた年でもあります。
これってある意味、ご縁ですよね?
お客様が楽しみになさっている
コクーン歌舞伎が
無事に初日を迎えられますようにと
お祈りしました。
本殿の横にある『将軍梅』は
蕾が膨らんでいて。
春はすぐそこです。