松島屋ないまぜ帖
2021.08.28
道元の月
秋の虫の声が
どこからともなく響いてくると
つい夜空を見上げて
月を探したくなる。
歌舞伎で『月』といえば
すぐに思い出すのが
立松和平作『道元の月』。
道元禅師の話。
道元は坂東三津五郎サン。
僕の役は義介、
典座(てんぞ)=
食事を作る係である。
上演前には永平寺へお参りする。
それもただのお参りではなく
“修行”を伴った宿泊研修。
1度目は2002年3月。
まだ雪が残っていた。
早朝からの座禅だけでなく
食事も入浴も
日常の行為、全てが修行。
事細かに作法があって
例えば、食事の前には
「五観の偈(げ)」を唱え
食事の最後はお湯を椀に注いでもらって
漬物で綺麗にするなど。
そして決して喋ってはならない。
1253年(建長5年)
道元禅師は53歳でお亡くなりに。
今日は道元忌。