松島屋ないまぜ帖
2023.03.20
八剣勘解由
今月の国立劇場『一條大蔵譚』で
亀蔵は
八剣勘解由(やつるぎかげゆ)役を
勤めさせていただいてます。
スタッフ全員が勉強不足で
苗字が“八剣”
下の名前が“勘解由”かと
思い込んでおりましたところ
勘解由は個人の名前ではなく
役職名でした。
平安京にあった
地方の行政を監視する官庁が
“勘解由使(かげゆし)”で
今だと総務省行政評価局、
霞ヶ関のお役人といったところです。
官庁があった場所は
京都御所の下立売御門の西側↓
その官庁の通りの名前が
勘解由小路だったのですが
今はかろうじて町名に
勘解由小路が残っています↓
呼び方も
「かげゆこうじ」から
いつしか
「かでのこうじ」へ。
監視の対象は
地方行政から
やがて内官へと
変わっていったので
今月の芝居の役柄になったのですね。
“勘解由”と言う役名
『伽羅先代萩』や
『元禄忠臣蔵』にも出てきます。
歌舞伎では
腹黒い役柄が多いようです。
国立劇場『一條大蔵譚』は
今月27日まで。