松島屋ないまぜ帖
2023.03.14
良弁椿
奈良東大寺の二月堂で行われる修二会は
千二百年の間
絶えることなく
今に伝えられています。
厳しい修行(本行)は2週間。
中でも3月12日から14日の深夜に
行われる『達陀』は
歌舞伎舞踊にもございまして
須弥壇を跳ね回る所作が独特です。
二月堂そばにあるのは開山堂。
東大寺の初代別当・良弁僧正が
祀られています。
(良弁僧正に因んだ歌舞伎
『良弁杉』も
機会がございましたら
是非ご覧ください)
庭には
椿の古木があり
白い斑入りの赤い花弁は
まるで糊をこぼしたかのよう。
『糊こぼし椿』とも
『良弁椿』とも呼ばれています。
この時季
奈良の和菓子屋サンでは
それぞれ工夫を凝らした
お菓子が販売されます。
此方は鶴屋徳満サンの御製で
『開山良弁椿』↓
『お水取り』が終わると
冬が明ける
と言われています。
大和路に春を告げる
お菓子です。