松島屋ないまぜ帖
2023.02.10
エゴン・シーレ
今からおよそ100年前
ウィーンで波乱の人生を送り
短い生涯を駆け抜けた画家
エゴン・シーレ。
オーストリア美術を代表する画家の一人
と言われる彼の作品を中心とした展覧会が
東京都美術館で開かれている。
エゴン・シーレは
1906年
わずか16歳にして
学年最年少の特別扱いで
ウィーン美術アカデミーに
入学を許された。
が、卒業を待たず
アカデミーを去る。
20歳の時に書いた手紙には
「僕の粗野な教師たちは
僕にとって常に敵だった」と。
反骨精神からくるエネルギーが
作品から迸っている。
日本の影響を受けたと思われる
20歳の作品『菊』↓
(ポストカード)
会場では一部撮影可能↓
22歳の時には
未成年の少女誘拐などの疑いで逮捕され
禁錮刑に。
裸の少女の水彩画は
公衆の前で焼却された。
やがて第一次世界大戦が終わり
世の中は一変。
クリムトに代わって注目され
ウィーン画壇をまとめるべく
二つの芸術家協会を立ち上げ
さあ、これから!
という矢先
スペイン風邪に罹り
28歳にして落命。
記録に残されている
最期の言葉が
まるで予言のようだ。
「戦争が終わったのだから
ぼくは行かねばならない。
ぼくの絵は世界中の美術館に
展示されるだろう」