松島屋ないまぜ帖
2021.04.15
出雲の阿國
「春の踊りは〜
よ〜いやさあ〜」
チョンパで始まる
宝塚歌劇団星組公演
「春の踊り〜恋の花歌舞伎〜」は
1989年のちょうど今頃でした。
トップスターは日向薫
(愛称ねっしー)サン。
時は慶長
京の都を舞台にした
日本ものレビュー
「春の踊り」。
歌舞伎の祖と言われる出雲の阿國、
念仏踊り、
女歌舞伎、
若衆歌舞伎、
野郎歌舞伎と
歌舞伎の変遷を
華やか、かつスピーディーに魅せる
酒井澄夫先生の見事な作品でした。
中でも注目は
「花の念仏踊り〜歌舞伎誕生〜」。
「念仏踊り」はその名の通り
念仏を唱えながら踊るもの。
日本の伝統芸能の一つで、
歌詞は
♫光明遍照 十方世界
念佛衆生 摂取不捨〜
南無阿弥陀佛〜♫
これは本物のお経の一節で、
実は舞踊劇「歌舞伎踊」の
清元でも同じフレーズが
使われています。
画像が無いので、せめて
清元の教本をご高覧ください。
作詞:木村富子
作曲:三代 清元梅吉
邦楽と舞踊社発行「清元梅吉作曲集」より↓
初演は昭和8年。
阿國と名古屋山三の恋、
二人して歌舞伎踊りを打ち立ててゆく姿を
四条河原を背景に描いた作品です。
山三は十二世片岡仁左衛門、
阿國は十五世市村羽左衛門。
日本史のサイドストーリーを
分かりやすく楽しく美しく、
次の世代へと繫いでいくことの
大切さ。
今日は出雲の阿國の命日です。