松島屋ないまぜ帖
2025年11月
2025.11.11
麺の日
今日は『麺の日』。
京都の老舗がまた一つ
その灯火を消そうとしています。
烏丸御池の近くにある
本家尾張屋本店サンが
本日をもって長期休業へ。
そば餅と蕎麦が有名で
創業は1465年。
京都では
応仁の乱以降に開業したお店は
「新参者」扱いされてしまう向きが
あると聞きますが
こちらは応仁の乱より前なので
まさしく老舗です。

江戸っ子で気が短い亀蔵は
『蕎麦そうめん』が
気に入っておりまして
お取り寄せしています。
山芋入りの細い蕎麦(乾麺)は
茹で時間が3分。
冷たい水でちゃっちゃっとしめても
5分とかからず
一品完成!
早いのです。
南座の時
食べに行きたい〜
と申しておりましたが
願い叶わず・・・。
いつの日か
復活を祈っています。
2025.11.10
興福寺・北円堂
東京国立博物館の『運慶展』を拝見した時
奈良・興福寺の北円堂も見てみたい!
と思った。
そもそも『運慶展』は
通常非公開の北円堂の
修復完成を記念しての
展覧会である。
運慶は
興福寺の僧侶だったらしい。
運慶が見ていたのと同じ景色が
今も奈良に残っている。
1300年も経っているのに
奇跡としか言いようがない。
北円堂では毎日
興福寺のお坊さんが
外から
お経をあげていらっしゃるとのこと。
祈りの空間なんだと
改めて思う。

2025.11.09
第77回正倉院展
今年もこの季節がやってきました!
聖武天皇の宝物が年に一度開封される
『正倉院展』開幕中です。
コロナ以降に始まった
“日時指定枠システム”ですが
今年は何と会期の途中で
最終日まで埋まってしまい
「当日券はありません」
と告知が出ました。
終了間際の万博と
同じパターンですね。

今年の目玉は
『瑠璃坏(るりのつき)』と
『平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)』と
『黄熟香(おうじゅくこう)』でしょう↓

ガラスの色合いが
宝石のように美しい『瑠璃坏』は
手と同じくらいの大きさです。
ドット模様は
棒状に細く伸ばしたものを丸くして
閉じ目は下に。
脚の部分の装飾まで細かく
ものすごい技術と意匠は
別格です。
『平螺鈿背円鏡』は
夜光貝や琥珀の間を
ラピスラズリやトルコ石が埋め尽くし
眩いばかりに輝いていたことを
彷彿とさせます。
一般に『蘭奢待』と呼ばれているのが
『黄熟香』です。
インドシナ半島から海を渡って日本へ。
抱き枕くらいの大きさの沈香で
ガラスケースに入っているため
香りを嗅ぐことはできませんが
9回焚いてもまだ薫ると
イヤホンガイドが教えてくれました。
古文書では
『不動穀』=備蓄米の記録が
タイムリー!
当時の保存期間は
9年間だったそうです。
お茶席も楽しみの一つ。
紅葉の日本庭園を眺めながら
薯蕷饅頭とお抹茶を
頂戴しました。

およそ9,000件の宝物の中から
毎年60件ほどを見せていただける
『正倉院展』。
お人を思う気持ちが
宝物の中に込められていて
その想いを汲みに
また来年
古都、奈良を訪れたいと
思っています。
2025.11.08
カリビアン・クイーン
1984年のこの時期
ビルボードを席巻したのは
ビリー・オーシャン
『カリビアン・クイーン』
亀蔵レコードコレクションより↓

カリブ海に浮かぶ島
トリニダード生まれの
ビリー・オーシャンは
子どもの頃
家族でイギリスに移住。
カリプソに
ディスコミュージックが融合した感じ
とでも言おうか。
最初は服飾関係の仕事についたらしいが
断然、曲作りの方が向いてる。
オリビア・ニュートンジョンにも
楽曲を提供していた。
ちょうどこの頃
日本では新紙幣が
発行された。
福沢諭吉の一万円札。
新渡戸稲造の五千円札。
夏目漱石の千円札。
懐かしい〜!
世の中がイケイケムードになり
バブル時代へ突入した。
2025.11.07
立冬
今日は二十四節気の一つ
立冬です。
京都では今
市内のあちこちで
キンセンカが芳香を放っています。

こちらのお菓子は
『蔦紅葉』
千本玉壽軒サンの御製です↓

暦の上では冬が始まりますが
晩秋真っ盛り。
週末は
短い秋を満喫なさってください。
2025.11.06
日月五峰図屏風
昨日のこのブログのタイトル
「韓国ドラマの、あの!」と言えば
李王朝時代の屏風
『日月五峰図屏風』
じつがつごほうずびょうぶを
ご存知でしょうか?
ソウルにある景福宮で
実際に撮影してまいりました。

勤政門の奥にあるのが勤政殿
=正殿で
国宝に指定されています。

そしてこちらが玉座。
王様の後ろを飾るのが
『日月五峰図屏風』です↓

『太陽を抱く月』をはじめ
韓国時代劇では
多分、最多登場の屏風で
まさに韓国ドラマの
あの!です。
日=太陽が王様
月が王妃様を
表しているのだとか。
『日月五峰図屏風』
まんま同じではありませんが
大正時代
李王家から日本へプレゼントされた物が
上野の東京国立博物館に
あるそうで
いつかご紹介できたら
嬉しいです。
2025.11.05
韓国ドラマの、あの!
今、上野の東京国立博物館で
『てくてくコリア
韓国文化のさんぽみち』が開かれています。
日韓国交正常化60周年を記念し
韓国の歴史と文化
日本との交流の軌跡をたどろうと
東洋館の4階と5階に
トーハク所蔵の貴重な品々が
展示されています。
韓国ドラマ好きな方、必見!
『トンイ』の子であり
『イ・サン』の祖父でもある
英祖の筆跡と伝えられている額↓

女官たちの装束や
螺鈿の箪笥、経箱など
伝統工芸品も↓
朝鮮通信使の記録もあって
博物館でアジアの旅を
楽しめます。
今月16日までです。
2025.11.04
上野でオルセー
パリのオルセー美術館から
およそ70点が来日し
10年ぶりの大規模展が
上野で開かれている。
ルノアール
モネにマネ
ドガにセザンヌとくれば
安定の布陣だから
混雑やむなし。

オルセー美術館所蔵
『印象派 室内をめぐる物語』
限られた空間の中にたゆたう
おっとりした空気や
室内の光
音の調べ
花の香りなどが
伝わってくる
・・・ような気がする。
どれもお洒落!
全てではないのだが
撮影可能な作品もある。

ピエール=オーギュスト・ルノワール
『ピアノを弾く少女たち』1892年
油彩/カンヴァス
オルセー美術館
お土産に
グッズ売り場で並んで
缶入りクッキーを求めた。

国立西洋美術館にて
来年2月15日まで。
2025.11.03
祝!世界一
昨日のワールドシリーズ
シビレタ〜!
LAドジャースが
2年連続のワールドチャンピオン♪
山本由伸投手は見事MVP‼︎
松井秀喜選手以来
日本人で二人目。
本当に苦しい試合で
何度もダメかと思ったが
延長戦で奇跡の逆転勝利。
今期で引退のカーショー選手たちと
一緒にTVの前で乾杯♪
昼間だから小さいシャンパンと
とっておきのチョコで笑。

今年もほぼ毎朝
応援した。
大谷選手、山本選手、佐々木選手
野球の本場アメリカで
大活躍する日本人が
誇らしい。
本当にありがとう!
そしてお疲れ様でした。
また来年♪
2025.11.02
ついたち菓子
『ついたち菓子』をご存知でしょうか?
昨日は名古屋・両口屋是清サンの
『鹿垣』を頂戴しました↓

毎月一日に氏神さまを詣でる
『朔日詣り』。
ざっくり申し上げるなら
初詣の月毎バージョンで
「先月はありがとうございました。
今月も無病息災で幸せに過ごせますように」
と神様へ感謝と祈りを捧げるもの。
そのお詣りの人をもてなしたり
お福わけをしたりする餅菓子が
『朔日菓子』で
地方によって
『朔日餅』『朔日粥』など
いろいろな名物があるようです。
そこで日本橋三越本店では
いくつかのお菓子屋さんが
毎月1日だけの限定菓子を
販売しています。
1634年創業の両口屋是清サンは
名古屋で作ったお菓子を
東京へ運んでいらっしゃるそうで
今月は二種類を提供。
薯蕷饅頭『鹿垣』と
和栗と白小豆、手芒豆が材料の
『籬の菊』↓

お菓子の銘はそのまま
茶杓の銘としても使えそうなくらい
素敵です。
直径5センチほどの小さな世界の中に
広がる季節感。
和菓子は日本が世界に誇りたい
文化の一つです。
- 1 / 2
- 次のページ »
