松島屋ないまぜ帖
2024.04.29
常磐の松
「亀蔵さんは
舞台がお休みの時
歌舞伎のお稽古は
どうなさっているのですか?」
いい質問!
このブログでは
美術館や旅行
スタンプラリーの話題が多いから
「亀蔵、遊び呆けてるな」
と思っていらっしゃる方も
多いかもしれない。
歌舞伎役者が
歌舞伎の稽古をするのは当たり前。
わざわざ「やってますよ」と
主張するのは・・・
と思っているが
主に
「常磐津と台本の読み解き」
に取り組んでいる。
今月は常磐津の稽古を
週に1回
計4回つけてもらった。
師匠は
常磐津文字兵衛先生。
演目は
『恩愛瞶關守』
おんあいひとめのせきもり
通称『宗清』。
初演は文政11年市村座
宗清:三世坂東三津五郎
常磐:岩井粂三郎
雪の中
常磐御前が
幼児を抱えつつ
伏見の関を越える場面。
歌川国芳『常盤御前』↓
警固の宗清は
「松を手折って松を助く」の
高札の意味を諭し
常磐御前はついに
敵方の清盛のもとへ。
常磐津の稽古は
舞台用の声を出すため
30分もすると
汗だくになる。
それにしても
常磐=松という
暗示が妙。
*「常盤」御前が一般的だが
文中は教本に書かれている
「常磐」表記とした