松島屋ないまぜ帖
2023年11月
2023.11.20
櫓の槍
来月のチラシを貰いに歌舞伎座へ。
歌舞伎の正面玄関
唐破風の上にある櫓。
江戸時代は
「幕府公認の芝居小屋ですよ」
という証で
2本の梵天と
5本の槍が並ぶのが慣いです↓
5本の槍は
豊臣家の五奉行を現し
筆頭は石田三成
という説も。
大河ドラマ『どうする家康』で
中村七之助サンが
熱演していたのが
この石田三成です。
三成は秀吉に所望されたお茶を
1煎目は、ぬるめでたっぷり
2煎目は、やや熱めで量は少なめ
3煎目は、より熱いお茶をほんの少量
差し出したという
有名な伝説を持つ人物です。
お茶で思い出しましたが
先日、何かのインタビューで
人間国宝でいらっしゃる
竹本葵太夫師匠は
「お茶を出すタイミング、
その機転が効く方は
舞台の見計らいも上手」
と仰っていました。
ようはその場の状況を
的確に読んで
“気働き”ができるかどうか。
櫓の槍を見上げつつ
我が身を省みたことは
言うまでもありません。
2023.11.19
銀天街発祥の地
日本全国津々浦々にある
○○銀天街。
ここ小倉の魚町銀天街が
発祥の地だそうだ。
記念碑を見つけた↓
1951年10月
日本で初めて公道上にかかる
全長130mのアーケードが完成。
その名称は6,000通もの
一般公募から選ばれ
『銀の天井に輝く街』を
意味しているとか。
小倉から全国へ広まっていった
『銀天街』のネーミング。
『焼きうどん』や
『競輪』だけじゃなかった。
2023.11.18
関西文化の日
今日は21回目となる『関西文化の日』
美術館・博物館など
文化施設の入館料が無料になる
関西圏あげてのイベントです。
開催日は主に今日と明日ですが
今月末までという施設も。
尚、お出ましの際は
念の為
各施設の公式サイトなどを
ご確認ください。
「文化は人を世界を繋ぐ」
が片岡亀蔵の理念です。
文化を通して
全ての人が
心を通わせ
穏やかに
幸せに
暮らせますように。
2023.11.17
12月歌舞伎座本チラシ
12月歌舞伎座公演の
本チラシができました↓
来月は三部制で
話題作がたくさん!
第一部は
バーチャルシンガー初音ミク
歌舞伎座初登場♡
お客様は
ペンライトでご参加頂けるそうです。
超歌舞伎とは如何なるものか
興味津々♪
第二部では
歌舞伎と講談のコラボ
『俵星玄蕃』
忠臣蔵外伝で
落語や浪曲でも有名です。
今回は
講談師で人間国宝の神田松鯉師匠が
脚本協力。
時は元禄15年12月・・・
続きは歌舞伎座で
お楽しみください。
そして第三部は
玉三郎サンと七之助サンの美の共演
『天守物語』
姫路城の天守に隠れ住む
お姫様の伝説が
夢うつつのような
幻想的な物語に。
美しい日本語の響きと
幽玄の世界。
泉鏡花生誕150年は
歌舞伎座で締め括ってください。
初日は12月3日です。
2023.11.16
武蔵と小次郎
平成中村座から徒歩5分の小倉城。
見所はお城だけではない。
散策していると
いろいろあって楽しい。
『宮本武蔵と佐々木小次郎』の像↓
関門海峡にある船島(舟島)
=巌流島は
豊前藩の領地だったそうだ。
物語は
小説や映画にもなっているから
歴史好きな皆さまの方が
よくご存知だと思う。
武蔵にとって小倉は
最も長く滞在した
ゆかりの土地だと
石碑に刻まれている。
中村座の近くを歩くだけで
日本の歴史の一頁に
触れることができるなんて贅沢。
2023.11.15
銀河鉄道999まち歩き
漫画『銀河鉄道999』を
小倉へ来てから
毎日少しづつ読んでいる。
松本零士先生のメッセージというか
先見の明というか
・・・深い話である。
小倉駅前を歩いていると
どこからともなく
メーテルの声が聞こえる。
「亀蔵、大丈夫か?」と
心配するなかれ。
幻聴ではない。
メーテルの声優
池田昌子サンによる
「北九州市からのお知らせ」が
スピーカーから
繰り返し流れているのを
市民の方はご存知のはず。
ここは漫画家・松本零士先生を
生んだ街。
いたるところで
銀河鉄道999に遭遇する。
駅前のベンチでは
メーテルの隣に座ることができるし
星野哲郎が傍に立っている↓
マンホールの蓋は
銀河鉄道999バージョン。
駅前ロータリーから
平成中村座までの間に
9つある。
その中の3つを紹介↓
北九州モノレールには
車輌をラッピングした
銀河鉄道999号も。
小倉駅発車メロディーは
お馴染みの曲♪
小倉駅から平成中村座まで
オール徒歩も良いが
途中の『旦過』=旦過市場前まで
モノレールに乗る
という手もある。
2023.11.14
ばあちゃんの命日
11月14日は
母方の祖母の命日。
湯島の家で
僕が生まれた時から
ずっと同居していた祖母。
最期は自宅で寝たきりになり
あの世へと旅立ったのは
昭和61年。
今も毎日
仏壇に線香を供え
花を絶やすことは無い。
以前このブログで
書いたと思うが
祖母は
「下谷の福子」と呼ばれた
芸者だった。
数百人の芸者を抱えていた
「下谷の福の家」の
芸者頭。
生前は
泉鏡花先生や
小村雪岱先生たち文化人が
贔屓にしてくれていたという。
その泉鏡花先生の
代表作の一つ
『天守物語』
来月の歌舞伎座で
小田原修理役を頂いている。
祖母は泉下で
どう思っているだろう。
祖母が仏壇にしまっていた
皮の手帳には
泉鏡花先生と奥様の
ご命日や
雑司ヶ谷霊園への行き方など
細かに記されている。
達筆すぎて
読みにくい苦笑。
僕のメモ魔は
ばあちゃん譲り。
「しっかりおやんなさいな。
(泉鏡花)せんせには
あたしから言っとくから」
煙管を持って微笑む
ばあちゃんの顔が
浮かんだ。
2023.11.13
いざいざ奈良その③良弁杉
スタッフ研修報告
3回目の今日は
東大寺『良弁杉』です。
東大寺の初代別当
良弁僧正は
幼い頃
鷲に連れ去られ
杉の木に引っかかっていたのを
助けられ
お坊さんになったという
伝説がございまして
歌舞伎では
『良弁杉由来 二月堂』として
ときどき上演されています。
実際に
東大寺二月堂の前には
『良弁杉』
と呼ばれる木があります。
木の根元にある
石碑によりますと
昭和36年9月16日に
樹齢600年
7丈(およそ21m)だった良弁杉が
台風で倒れてしまったそうです。
その後、植樹され
今も天に向かって
成長を続けています↓
今年は
良弁僧正の1250回忌。
今月19日まで
東大寺では
国宝『良弁僧正坐像』の
特別拝観が行われています。
2023.11.12
いざいざ奈良②東大寺大仏殿
先日ご報告しました
スタッフ研修の続き、
2回目の今日は
東大寺です。
東大寺と言えば大仏様。
高さ15m
世界最大級の金銅仏である
盧舎那仏様にまずはご挨拶。
与願印が結ばれた左手は
人々の願いを叶え
慈悲の心を表しているそうです↓
この盧舎那仏造立を
聖武天皇に進言したのが
東大寺開山初代別当
良弁(ろうべん)僧正。
今年は1250回忌で
10月中旬に
大法要が行われ
大仏殿前庭に建てられた
『宝樹ほうじゅ』が
撤収前に
1本残っていました↓
クリスマスツリーの
仏教バージョンのように
色とりどりの宝樹が
秋空に映え
厳かな大仏殿に
華を添えていました。
奈良研修報告は
あと1回ございます。
歌舞伎好きな方
必見です。
ご期待くださいませ。
2023.11.11
初物尽くし
毎年恒例
菊五郎劇団初春歌舞伎は
三宅坂の国立劇場建替えに伴いまして
初台の新国立劇場にて開催です。
演目は『梶原平三誉石切』(石切梶原)
『芦屋道満大内鑑』(葛の葉)
『勢獅子門出初台』の三本立て。
『石切梶原』は
昨年の大河ドラマでの
中村獅童サンのお役が
この梶原平三景時だったのを
覚えていらっしゃる方も多いかと。
亀蔵は囚人・剣菱吞助です。
そして『勢獅子』では
鳶頭のお役。
初台での初歌舞伎を
粋な日本舞踊で祝います。
1月5日〜27日(休:11日と22日)
毎日午後1時から
初台での初めての初芝居!
イチ並びの今日
ご案内できるのも
幸先良き♪