松島屋ないまぜ帖
2022.11.19
鳩の杖
お年を召した方へのプレゼントの定番
といえば『杖』。
それを故郷の方へのお祝いとして
私費で送り続けた方がいる。
しかも市販ではなく
自ら製作。
ふくら雀のような
ふくら鳩が愛らしい。
ポストカードより↓
その人の名は
板谷波山。
昭和9年
帝室技芸員に任命され
昭和28年
日本の陶芸界で初めて
文化勲章を受章。
『葆光彩』という独特の釉薬を編み出し
薄いヴェールがかかったような
格調高い作品が特徴。
今年は生誕150年の
メモリアルイヤー。
晩年まで自分でお年寄りの所へ出向いては
『鳩杖』を送り続けた
思いやりとユーモア溢れるお人柄。
『陶聖』と呼ばれた
板谷波山の陶芸展は
六本木の泉屋博古館東京で
12月18日まで。