松島屋ないまぜ帖
2025.11.09
第77回正倉院展
今年もこの季節がやってきました!
聖武天皇の宝物が年に一度開封される
『正倉院展』開幕中です。
コロナ以降に始まった
“日時指定枠システム”ですが
今年は何と会期の途中で
最終日まで埋まってしまい
「当日券はありません」
と告知が出ました。
終了間際の万博と
同じパターンですね。

今年の目玉は
『瑠璃坏(るりのつき)』と
『平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)』と
『黄熟香(おうじゅくこう)』でしょう↓

ガラスの色合いが
宝石のように美しい『瑠璃坏』は
手と同じくらいの大きさです。
ドット模様は
棒状に細く伸ばしたものを丸くして
閉じ目は下に。
脚の部分の装飾まで細かく
ものすごい技術と意匠は
別格です。
『平螺鈿背円鏡』は
夜光貝や琥珀の間を
ラピスラズリやトルコ石が埋め尽くし
眩いばかりに輝いていたことを
彷彿とさせます。
一般に『蘭奢待』と呼ばれているのが
『黄熟香』です。
インドシナ半島から海を渡って日本へ。
抱き枕くらいの大きさの沈香で
ガラスケースに入っているため
香りを嗅ぐことはできませんが
9回焚いてもまだ薫ると
イヤホンガイドが教えてくれました。
古文書では
『不動穀』=備蓄米の記録が
タイムリー!
当時の保存期間は
9年間だったそうです。
お茶席も楽しみの一つ。
紅葉の日本庭園を眺めながら
薯蕷饅頭とお抹茶を
頂戴しました。

およそ9,000件の宝物の中から
毎年60件ほどを見せていただける
『正倉院展』。
お人を思う気持ちが
宝物の中に込められていて
その想いを汲みに
また来年
古都、奈良を訪れたいと
思っています。
