松島屋ないまぜ帖
2024.05.08
薫風咽より来り
弊所スタッフ研修の報告書に
目を通すのもボクの仕事。
昨日のブログの
旧朝香宮邸の件。
実は報告書の全文が
ブログとして
公開されている訳ではない。
焦点を絞って
報告書の一部を
皆さまに紹介している。
報告書では
現在
東京都庭園美術館として開館している
旧朝香宮邸に
日本庭園があり
茶室が設けられているという。
床に掛かっている
お軸についても
触れていた。
『薫風自南来』
=「くんぷうじなんらい」
と読む事が多いと
係員サンに教えてもらったという。
これは漢詩の
『薫風自南来
殿閣生微涼』
=「くんぷうみなみよりきたる
でんかくびりょうをしょうず」
の一部分と
注釈がつけられていた。
ああ!
そうか、そういう事か。
『外郎売』の
台詞を思い出した。
「薫風 咽(のんど)より来(きた)り
口中(こうちゅう)微涼を
生ずるが如し」は
すなわち漢詩の
“本歌どり”だったという訳か。
初夏の爽やかな風が吹いた!