松島屋ないまぜ帖
2023.11.20
櫓の槍
来月のチラシを貰いに歌舞伎座へ。
歌舞伎の正面玄関
唐破風の上にある櫓。
江戸時代は
「幕府公認の芝居小屋ですよ」
という証で
2本の梵天と
5本の槍が並ぶのが慣いです↓
5本の槍は
豊臣家の五奉行を現し
筆頭は石田三成
という説も。
大河ドラマ『どうする家康』で
中村七之助サンが
熱演していたのが
この石田三成です。
三成は秀吉に所望されたお茶を
1煎目は、ぬるめでたっぷり
2煎目は、やや熱めで量は少なめ
3煎目は、より熱いお茶をほんの少量
差し出したという
有名な伝説を持つ人物です。
お茶で思い出しましたが
先日、何かのインタビューで
人間国宝でいらっしゃる
竹本葵太夫師匠は
「お茶を出すタイミング、
その機転が効く方は
舞台の見計らいも上手」
と仰っていました。
ようはその場の状況を
的確に読んで
“気働き”ができるかどうか。
櫓の槍を見上げつつ
我が身を省みたことは
言うまでもありません。